バイオセラピー(再生医療)は、人が生まれながらに持っている「自然治癒力」を活かした治療法です。 人工物による補完ではなく、自分や他人の細胞や血液由来の成分などを活用して病気や怪我で傷んだ組織の修復を促すことを期待するものです。 整形外科領域における運動器疾患を対象としたバイオセラピーは、“保存療法と手術の中間に位置する新しい選択肢”として注目され始めています。

Jメディカルおゆみのでは、バイオセラピーを整形外科診療の柱の1つと考えています。
Jメディカルおゆみのでは、バイオセラピーを整形外科診療の柱の1つと考えています。小林洋平院長は、順天堂大学整形外科の再生医療グループでバイオセラピーの臨床と基礎研究に深く携わってきました。
バイオセラピーの中でも代表的な治療手段であるPRP療法に関しては、順天堂では2011年からの約15年間で約30,000件を超える豊富な症例経験があり、かつ治療効果に影響する因子の解明や作用機序などの基礎研究も並行して行っています。こうした経験と研究成果に基づき、当院では安心・安全なバイオセラピーの提供を目指します。
当院のコンセプトである医療の「見える化」の一環で、軟骨や半月板の3D画像解析システムや動作解析などの機器・設備により、患者さんの病態や機能を正確に評価することで、治療の適応や治療効果の判定をより明確にできることも大きな特徴の1つです。また、当院の充実したリハビリテーションと併用していただくことで、患部の治療と機能の改善による相乗効果が期待されます。院長以外にも再生医療の経験豊富な非常勤医師も勤務しておりますので、お気軽にご相談ください。

バイオセラピーには、材料となる細胞や組織・成分によってたくさんの種類が存在します。
整形外科領域において現在最も代表的かつ一般的なバイオセラピーにPRP(Platelet-rich Plasma)療法=多血小板血漿療法があります。これは、患者さん自身の血液から遠心分離という工程により抽出したPRP(多血小板血漿)を患部に投与する治療法です。
PRPには、主に血液中の血小板や白血球に由来する成長因子やサイトカインなどの生理活性物質(bioactive substance)が豊富に含まれており、これらが患部の炎症を抑えたり治癒を促すことが知られています。PRPは作り方により含まれる生理活性物質のバランスの異なる複数の種類があり、またPRPを凍結乾燥(フリーズドライ)化した製品もあります。
その他にも、脂肪や骨髄・関節内の滑膜、臍帯、羊膜などを由来とする幹細胞治療もあり、特に整形外科領域では近年、ASCs(Adipose-derived Stem Cells)療法=脂肪由来幹細胞療法が注目されています。
ASCsはAdipose-derived Stem Cellsを略した名称で、日本語では「脂肪由来幹細胞」と言います。
ASCs療法は、ごく少量の脂肪組織を患者様の腹部などから採取後、脂肪組織から幹細胞を取り出し、十分な数になるまで幹細胞を育て、患部に投与する治療法です。
主に炎症を抑える効果のあるPRP療法と比較すると、 ASCs療法は炎症の抑制に加えて組織を再生する効果も期待できます。

現在当院では、下記3種類の精製キットを用いたPRP療法とPRPを凍結乾燥(フリーズドライ)化したVFD(Valuable Platelet-Derived Factor Concentrate Freeze Dry)療法に加え、ASCs(脂肪由来幹細胞)療法を実施しております。
これらを目的に応じて使い分けており、担当医が患者さんの病態とニーズに応じて最適な治療法をご提案します。



バイオセラピーの治療効果を最大限に引き出すには、患部の治療だけでなく日常生活における注意点を理解し、正しい身体の動かし方の習得や正しい動作に必要な筋力の獲得など、全身機能のトータル・バランス・コンディショニングの考え方が大変重要です。特に、バイオセラピー後の自己修復力の活性化が高まっている時期に、経験豊富な理学療法士とともに集中して運動療法に取り組むことは再生医療の効果を一層高めることが期待されます。
※バイオセラピーの治療期間は、治療部位のリハビリテーションの費用についても自費となります。費用の詳細については、医師またはスタッフまでお尋ねください。
バイオセラピーは自費診療(保険適用外)です。各種PRP療法とVFD療法、ASCs療法の費用の詳細は下記をご参照ください。
バイオセラピーの中でもさまざまな治療の選択肢があり、それぞれ期待通り効果が得られる方もそうでない方もいることから、その後の治療方針を検討するうえでも正確な治療効果の判定は不可欠となります。
整形外科が扱う運動器疾患の治療効果判定は、患者さんの自覚症状、損傷した部位の構造的な変化、関節可動域や筋力・活動能などの機能といった複数の要素から総合的に判断することになりますが、当院では最新技術も駆使してこれらをより客観的な指標として「見える化」することに取り組んでいます。
