上部消化管内視鏡(胃カメラ)・下部消化管内視鏡(大腸カメラ)は、それぞれ食道・胃・十二指腸、大腸の病変をみつける、最も精密な検査です。
日本の癌罹患数の上位1位・2位は、大腸癌・胃癌ですが、これらも早い段階で見つけて治療すれば90%以上が根治可能となっています。
そのため、内視鏡検査では、早い段階の小さな病変も見逃さない確かな診断が、大変重要となります。
しかしながら、同じ内視鏡検査でも、術者の知識や技術、使用する機器によって診断力に差があるのも実情です。
せっかく内視鏡検査を受けられるのであれば、信頼できる検査・医師を選んで頂きたいと思います。
左右どちらも、食道の同じ場所を撮影した画像です。
左側が通常の内視鏡検査、右側がNBI併用観察です。
通常内視鏡では視認しにくい病変が、NBIで観察することで、茶色く浮かび上がってみえます。(黄色円)
NBIは、食道癌や胃癌、大腸癌の視認性を高めることが証明されており、
現在では病変の見逃しを少なくする重要な診断技術となっています。
通常内視鏡検査では、胃にやや目立つ赤みがあります。(黄色円)
通常内視鏡だけでは炎症なのか、癌なのか判別がつきにくい病変です。
右側の画像は、拡大内視鏡という特殊な内視鏡で、黄色円部分を100倍程に拡大し、NBIを併用して観察したものです。
拡大内視鏡 + NBI観察を用いることで、癌に特徴的な血管や構造のパターンを認識し、
正しく癌と診断することができました。
ノドの奥(赤丸部分)は、鎮静剤を使用しない場合、咽頭反射「オエッ!」のため、
しっかりした観察が困難なことが多くなります。
そのため、咽頭癌、喉頭癌、食道入口部癌の見逃しにつながります。
鎮静剤には、苦痛を取り除く以外にも、こういった箇所の安定した観察を可能とし、
見逃しを少なくできるメリットがあります。
鎮静剤を使用することで、咽頭反射が強い喉頭部でも、安定して詳細に観察ができます。
この症例では、鎮静剤を使用し、NBI併用観察を行うことで、
小さな早期喉頭癌(黄色円)を発見することができました。
早期に見つけることで、最小限の治療で根治することができました。
症例①と同様に、下咽頭部も安定して詳細に観察を行うことで、早期咽頭癌(黄色円)を発見することができました。